ナラ枯れはクマ出没の原因ではない、の説

ツキノワグマ出没の原因として、一般的にナラ枯れによる食糧不足が挙げられています。
その説への反論が書いてある記事がありましたので、引用します。


asahi.comより「クマ 人里に出没 なぜ?」
http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000001011120002

 クマの生態に詳しい同大の田口洋美教授は、クマの出没急増の背景には人間社会の環境の変化が大きい、と分析する。「昔は山と都市の間に農村、農村と山の間に寒村があり、クマが人里に下りて来るにはいくつもの壁があった。しかも農村では、農耕地を守るための防御的な狩猟が存在していた。人の圧力がクマを山に押し上げていた」

 だが、ここ半世紀での急激な都市化による山村の減退、廃村化により「防衛ライン」が崩れ、さらに都市の膨張で山と都市の距離が近づいていった結果、クマが人里に下りて来るまでの壁がなくなっていったという。県内では住宅地でのクマの被害が相次いでいるが、田口教授は「農村も狩猟も減った。圧力がかからなくなったから、野生動物が人口密集地にも出てくるようになる」と見る。

 ナラ枯れなど山の凶作がクマの出没急増の原因とする見方については、「豊凶が生じるのは9月、10月の段階。でも今年はその前からクマの出没が増えている。エサ不足だけでは、説明がつかない」と指摘した。


こうやって因果関係をデータから推測することは、とても大切だと思います。
ただの印象だけが流布してしまうのは、クマにとっても人間にとっても不幸なことですから。