アニメフェアボイコットの口火を切った角川書店・井上伸一郎社長のインタビュー


東京都の姿勢に反発して東京アニメフェアボイコットの口火を切った、
角川書店井上伸一郎社長のインタビューを見つけました。


青少年健全育成条例改正:性描写規制、「つぶやき」うねりに 角川書店社長に聞く
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110131ddm012010048000c.html

これほど大きな反響があるとは思っていなかったので、私自身びっくりしている。ツイッターに載せてからわずか2日で、(大手出版社などでつくる)「コミック10社会」がフェアへの出展・協力を見合わせたのにも驚いた。みんなモヤモヤしたものがあっても抗議の方法が分からなかったのだと思う。もちろん出展を拒否することがベストなやり方だとは思わない。我々も出展したかったが、今回は心情的、理論的に出展はあり得なかった。


ちばてつやさんや秋本治さんという著名漫画家が記者会見までして改正案に反対しているのに、石原慎太郎知事は「我欲でみんな反対する」などと失礼な発言をした。条例に触れるような漫画を描いていない先生方が、反対を表明するのは相当の意味があることなのに。反対署名が都議会で顧みられないことも疑問だった。そういう思いが積み重なっていた。

などなど、ボイコットに至った経緯、心情を語っていますが、
一番重要なポイントは、「なぜ条例改正案に反対なのか?」という質問に対する答えです。

 もう一つ、施行規則には「優良図書の推奨、表彰」がある。為政者に都合のいい漫画を描いていれば、都からご褒美をもらえる。私はそれがものすごく嫌だ。権力が都合の悪いものを規制し、一方で都合のいいものを描かせたいという「衣の下のよろい」が見える。それは思想統制など一定の方向に誘導できる可能性がある非常に危険な条例だ。

この点は語っている人が多くないですが、とても重要なポイントだと思います。


ちなみに、アニメフェアはコミック10社会のボイコットなどを受けて、規模の縮小を余儀なくされているようです。

 アニメフェアは3月24日から4日間、東京ビッグサイト江東区有明)で開かれる。今年は10回目の節目で、来場者は14万人(昨年は過去最高の13万2492人)を目標とする。しかし、大手の不参加を受けて出展社は激減。事務局によると、昨年の244社(うち海外60社)に対し、今年は約6割の153社(同28社)にとどまる。出展社の減少で、運営予算は当初より約1億1000万円減の約2億9000万円(うち都の負担金1億2500万円)の見込みだ。