読売新聞さん、社説が変ですよ


読売新聞が都青少年条例の委員会通過を受けて発表した社説が、
変なことになっています。


読売新聞より
「都青少年条例 露骨な性描写の規制は当然だ(12月15日付・読売社説)」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101214-OYT1T01203.htm?from=y10

過激な性描写のある漫画が、巷(ちまた)の書店やコンビニの棚に並んでいる。

 これらの18歳未満への販売規制を強化する東京都青少年健全育成条例改正案が、15日の都議会本会議で可決され、成立する見通しだ。

 現行条例は、「著しく性的感情を刺激」する作品は指定図書として成人コーナーなどに分けて売ることを義務づけている。指定に当たっては性器の描写の明確さなどが判断基準となっている。

 そのため、例えば果物を性器に見立てるなどして、小学生の性行為を描写したような漫画は成人図書に指定されていない。

 条例改正は、こうした規制から漏れた作品についても成人指定が出来るように、基準を改めようというものだ。

 青少年の健全育成の観点に立てば、規制強化は当然だろう。

 当初の改正案は、18歳未満の少年少女の性行為を肯定的に描いたものなどを新たな規制対象として加えるというものだった。

 しかし、民主党などが「対象があいまい」との理由で反対し、6月の議会で否決された。

 都が手直しした上で議会に再提出した今回の改正案は、強姦(ごうかん)など法に触れる性行為を「著しく不当に賛美し又(また)は誇張する」作品は成人指定できるとしている。このため民主党は賛成に転じた。

 漫画家や出版界には反対の声が根強い。「成人女性の性描写も含まれるなど、当初案よりもさらに規制の対象が広がった」と反発を強めている。

 芸術的評価の分かれる作品が一方的に成人指定されかねない、と懸念する声も上がっている。条例案には「慎重な運用」を求める付帯決議が加えられた。条文を拡大解釈して乱用するようなことはあってはなるまい。

 都の成人図書の指定は、PTAの代表や出版・報道関係者、都議らで構成する審議会で行われている。今後、審議会にかかる作品の幅が広がり、新たな判断を迫られるケースも出てくるだろう。

 より多様な意見を議論に反映させるため、漫画家を委員に加えることなども検討してはどうか。

 青少年に対する漫画の販売規制は自治体によって基準が異なり、東京都の議論だけで問題が解決するわけではない。

 どんなに出版物の販売が規制されても、ネット上には過激な性描写の画像が氾濫している。

 家庭や地域、各業界ぐるみで子どもを守るための取り組みを進めて行くことが肝要だ。


先に出されている果物での性(疑似行為?)描写の例と、
今回の改正案の条文がまったくかみ合っていません。
改正案では、果物の描写の例は規制対象外になるんじゃないですか?
おそらく、結論の「子供を守る」というところに行きつくためなんでしょうけど。


あと気になるのは、今回の改正案で反対派が特に問題にしている、
「刑罰法規に触れる性交」
「性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為」についてまったくふれていないのも、公平さを欠いていますね。


社説は文字通り新聞社の意見表明なので、中立である必要はないと思っていますが、
議論の前提になる大事な事実を隠しちゃいけません。