ライトノベルのタイトル研究1
ライトノベルは、他のジャンルの小説よりもタイトルが重要と言われています。
でも、私は正直言ってタイトルをつけるのが苦手です。
「タイトルなんて編集者がつけてくれるよ」と言う人もいるかもしれませんが、
タイトルも作品の一部なので、編集者まかせってわけにもいかないですし、
そもそも公募のときは自分しかつける人がいません。
といっても、実は自作の「イモムシランデブー」というタイトルは
自分でつけたのではなく、人につけてもらったのですが……。
苦手なタイトルを克服するため、有名なラノベ作品のタイトルを
研究してみようと思います。
まずは「涼宮ハルヒの憂鬱」。
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今でこそ超有名な作品になってしまいましたが、このタイトルのつけ方は結構大胆だと思います。
最初、読者は「涼宮ハルヒ」というキャラクターのことを全く知らないわけですから、
「涼宮ハルヒ、誰それ?」と思われて終わりの可能性だってあるわけです。
それに「憂鬱」とつけるのも勇気が要ったと思います。
先日取りあげた「小説の秘密をめぐる十二章」では、
小説の題名をつけるのに「人名を題名につけるのは難しいからやめた方がいい」
「題名はネガティブなものを避けるべき」という原則を説いています。
「涼宮ハルヒの憂鬱」はその二つに反しながらも、成功した例ですね。
(「小説の秘密をめぐる十二章」の題名に関する章は後日改めて書きます)
「ハルヒ」と題名で共通点があるな、と思ったのが「ブギーポップは笑わない」。
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これも超がつく有名作品ですが、「ブギーポップ」はあだ名ですし、
「笑わない」もネガティブと言えばネガティブですので、やはり二つの原則に反します。
あともう一つの共通点は音の数。
「涼宮ハルヒの憂鬱」は十二音、「ブギーポップは笑わない」も十二音。
しかも、それぞれ八・四、七・五と七五調に近いリズムになっています。
七五調なんて古くさい、と思うかもしれませんが、
言葉のリズムとしては今でも通用するんじゃないでしょうか。
「バカとテストと召還獣」の音も七・六で七五調に近く、
タイトルの言葉のインパクトももちろんありますけど、
言葉のリズムもうまく利用していいタイトルになっていると思います。
「とある魔法の禁書目録(インデックス)」も七・六ですね。
ちなみに、もっと詳しく緻密にライトノベルの題名を研究した記事があったので、
紹介しておきます。
「ライトノベルのタイトルはこうしろ!」
http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060414/1145014229