NHK教育「98歳・新藤兼人の遺言 〜映画“一枚のハガキ”を撮る〜」

昨晩やっていた番組です。
ETV特集 http://www.nhk.or.jp/etv21c/
新藤兼人は「裸の島」「午後の遺言状」などが代表作の映画監督です。
98歳になって自分の戦争体験を初めて映画にし、
これを最後の作品にするという思いで監督したそうです。


冒頭では90代のおじいちゃんらしく、肉体的の衰えが隠せない様子だったのですが、
四年待っていた映画のクランクインがとうとう決まったと聞かされると、
突如シャキッとするあたり、さすが映画監督ですね。
孫の新藤風さんが身の回りのサポートをしているものの、
完全に監督として現場を仕切っていました。
映画は予算の都合上シーンを削ったようですが、
日活撮影所でのスタジオ撮影と、オープンセットで民家を一軒建てて
撮影を行っているので、かなりしっかりとした出来になっているはずです。


戦争は、経験した人にとっては永遠に忘れられない、
それどころか永遠に終わらない出来事なんだ、と改めて教えられました。
新藤兼人は未だに終わらない「戦争との闘い」を続けていたのです。
この番組の中の発言ではありませんが、
「戦争は人を殺すから反対です」との新藤兼人の発言を読んだことがあります。
どうしても自分の戦争体験について、映画にするという形で対峙しないと
気が済まなかったのでしょう。


再放送は未定ですが、NHKオンデマンドでは観られるようです。
映画「一枚のハガキ」は、来年夏公開を目指している、と伝えていました。